月姫の引力

月姫をやって、これは面白い、ボクも伝奇を書こうと思って書いた作品は、大抵月姫の引力圏に捕らわれます。
引力圏内の作品がどう評価されるかと言うと、「劣化コピー」「1.5次創作」などと言われ、どんな長所も見て貰えず、さんざんな目に合います。
月姫のデットコピーにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?

先行の伝奇作品を一杯読めば良いのです。

月姫が先行伝奇作品の影響を受けていないかというとそんなことはなく、くっきりと影響を受けた作品を指摘する事ができます。
月姫の影響元は「ブギーポップ」と「痕」(リーフ、ビジュアルノベル)です。
ブギーポップの方は主人公の魔眼とまるっきり同じ能力が出ています。
痕の方は全体のプロット構成がよく似ています。悪夢の浸食なんかですね。
能力の方はちょっと瑕疵ですが、プロット構成ぐらいはフレイバー取りで別に非難される事ではありません。

では、「ブギーポップ」と「痕」を押さえたら、月姫の引力圏から外れるのでしょうか?
まだちょっとブースターが弱い感じがします。もっと奥へ進んでみましょう。

「ブギーポップ」は影響元が見えにくいのです。
かなりオリジナル要素が高い作品なので、ブギーポップの出現自体がかなり大きな事件であったわけです。

「痕」の方もわりと影響元が解りにくいです、しいて言えば平井和正さん直系かもしれませんね。
おなじ高橋さんのシナリオの処女作「雫」に関しては影響元がはっきり解っています。
大槻ケンヂさんの「新興宗教オモイデ教 」です。
かなり似ています。大槻ケンヂさんの引力圏ぎりぎりに「雫」はあります。
大槻ケンジさんはロックの方ですが、小説もすんごい物で、ある意味上遠野 浩平さんよりも事件だったと言う人もいます。

もうちょっと奥まで行くと、夢枕獏センセと菊池秀行センセが居ります。
このお二人が伝奇系の創作界に及ぼした影響は相当な物です。
詩と切なさと暴力で異形世界を書き出す夢枕獏センセと
映像的なアイデアをこれでもかと盛り込んだ菊池秀行センセ。
ここら辺まで押さえれば、月姫の引力圏は突破しやすいかと思います。
また、ライトノベルの伝奇を書くならばここらアタリで止めてもまあ良しと言う人も多いでしょう。

さて、伝奇界のこの先には巨大な山脈があります。
平井和正先生です。
ここらへんまでさかのぼると、伝奇はSFの一分野だった時代となり、平井先生は伝奇の父のような方と言えましょう。
異形の者が現代で暴れる「ウルフガイ」シリーズと
超能力と前世と、えー、宗教団体の内紛という、まー、「幻魔大戦」シリーズと
二系統の路線を創作したという点でとにもかくにも偉大な方です。
(幻魔大戦は追走者がでませんでしたな、そういえば)
さらにSF風味となると半村良先生などが良質な伝奇を書いてます。
産霊山(むすびのやま)秘録や伝説シリーズを押さえると良いでしょう。
ああ、ここを書いていて思いつきましたが、なぜ月姫とかの伝奇ノベルが理屈っぽく魔法システムやら世界観を書く癖があるのかと言うと、先祖がSFだからなのですなー。なるほどなるほど。
わりと隣接しているジャンルな訳ですな。「痕」も後半はSFになってしまうしね。
でも、直裁にSFとくっつけると「腐り姫」(エロゲー:ライヤーソフト)のように嫌がられるので注意注意。

これ以上さかのぼるとすると、
山田風太郎先生の忍法帳シリーズに異形バトルの原型を見ることが出来ます。

あとは、里見八犬伝とか、西遊記とかになっちゃいますので、あまり参考にはならないかも。

和製伝奇の流れだとこんな感じですか。

洋物としては、スティーブン・キングの影響とディーン・R. クーンツの影響が伝奇界にあったと思います。

先行伝奇作品を沢山読めば、大体のストーリーの定石みたいな物がわかりますし、影響を受けた作品を付け合わせる事で、どこまでフレイバー取りしてよいのか、どこがオリジナルでないといけないのかがはっきり解ります。
頑張って読書しましょうー。

結構おおざっぱにやりましたので、この先生がぬけてるよんとかつっこみがありましたら、コメントによろしくお願いしますね(^^)
あ、それから、これらの本はサカナ・ノベルドットコムの下の方の製作参考書リストの基礎伝奇に載っておりますので、参考になさってくださいな。
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by sakananovel | 2005-07-02 00:47 | 読書


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