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考える脳 考えるコンピューター

脳構造やら創造性の本を眉にツバつけながら読むのが趣味なんですが、かなり良い感じの仮説を書いた本にぶち当たりました。

考える脳 考えるコンピューター(ジェフ・ホーキンス )

作者さんは、アレですよ、パームパイロットの手書き文字(Graffiti)を開発したスーパーハカーな方なんですな。
本当は脳の研究をしたかったのだけど、お金がないのでコンピューター開発でお金を稼ぎ、脳の研究所を作ったという偉人であります。
この本の仮説を一言で言うと「脳は予測しつづけている」であります。
つまり、脳は外界の全てを無意識に予測しつづけているのではないかという仮説です。
そして、その予測機能こそが知能の源泉ではないかというのですな。

たとえば、自分の部屋のドアの素材が異様に重い物に取り替えられたとしましょう。
ドアを一瞬引いただけで「あれ?」という感じに違和感が発生するかと思います。
つまり、記憶の中のドアの引き具合と、現在のドアの引き具合を無意識に比べて、その差異から「あれ?」という強い違和感が発生するわけですよ。
ドアを開けるという行為は意識してやる行動というよりも、無意識にやっている行為かと思われます。そんな自動的な行為でも、重さが違うというだけで強い違和感が発生するわけですな。
この事から、人は記憶によって脳内に予測による内世界を作り、同じなら気に留めず、少しでも異差があれば強い興味をもって意識に昇らせる。そういう働きがあるのでは、という仮説なのです。

で、その内世界を作るのはパターン認識ではないのかと。パターンとして世界の事象を記憶し、内世界を組み立ててるのではないかという訳なんですな。

こういう、一言で知能という曖昧な物を丸ごと説明してしまう仮説は大好きだったりします。
お勧め。
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by sakananovel | 2006-04-27 15:01

本読み

活動が煮詰まってる時は本を読んでますな。

「青い狼」井上靖
日経新聞朝刊の連載小説でジンギスカン物が連載されていて、それを楽しみに読んでいまして。で、先がどうなるのか気になって、家にあったこの本を読んでみたですよ。
いやあ、凄いですな。あれよあれよの間に大帝国を築き上げてしまいます。一代で中国。トルコ。ロシアの近く。バイカル湖あたりまで攻めてしまうのですなあ。
熱い男の戦い。そして、凄い気合い入った愛妾。キャラ立ちが良いなあとほれぼれしました。

あと「悪魔のミカタ」を再読。
やっぱりグレイテスオリオンの時期が脂がのっておもしろいですなあ。
ライトノベル系では野放図に設定の風呂敷を広げて、立ち往生する話が多いのですが、悪魔のミカタもその流れですねー。キャラ多すぎですがな。ま、人の事は言えませんが。
どうして新キャラを出したくなるかというと、新キャラを一人出すとかなり長い間話を引っ張れるわけなんですよ。承展開あたりで盛り上がらないとどうしても出したくなっちゃいますな。

ブギーポップの新刊「オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス」
久々にオモロイ、ブギーポップを読んだ感じです。
そうですよ、ブギーポップは酷薄でないとー。誰であろうと容赦なくぶっ殺すのが死に神ですよ。今回はどうにもならない感じが良いですな(^^)

作業は煮詰まってますが、それでも微速進行中。
オマケ・ノベルの編集作業したり、鹿の子ちゃんシナリオを弄ったりしてます。
エロ日体験版の方ですが、シナリオは上がりましたのでもうちょっとであります。
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by sakananovel | 2006-04-22 23:43 | 読書

変なトラバ来る

文章があきれるぐらい~ とか アフリエイトで~~ とか、なんだかインチキな人たちがスパムトラックバックを張って大変であります。
でも、みんな心配しないでください、彼らは二億円かせいだり、人生に勝ったりできますが、勝った瞬間にお天道様に恥ずかしくなって死にますから。

この手のノウハウ商売は、お金を払うことにより、「凄い情報」と思わせるだけの商売ですから、決して引っかかってはいけません。
お金を払う>お金を払ったんだからこの情報は絶対にすごい。そうでなくては私は馬鹿みたいだから絶対に凄い。>よく覚える。
という心理を使った商売で、ゲーム関係でもやれ「宮本さんのノウハウを二万円で!」とか「これで売れるゲームが作れてシェアでがっぽり」とか在りますが、そういう情報をお金で買う人の所にはあんまり幸運の女神様降りてこないと思いますよ。だいたい、願いかなってもお天道様に恥ずかしくなって死んじゃうし。
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by sakananovel | 2006-04-19 20:50 | どうでもいいこと

ショーシャンクの空に、を見た

交流のあるサイアチの狐さんが「大好きだー」と言っていたので、買って見てみました。
言ってみれば太宰を伝染させてショーシャンクを得るという感じですな。

良く構築された映画なので、うおおと見入ってましたが、ロックハンマーの下りで気がついてしまいました。
「これ、原作はスティーブン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワーズ』やん」と……。うわー、オチ知ってますよ、原作読みましたし、好きな短編ですし。しくしく。
それでも、映像が凄いでありますな。プロットはわりとまんまでしたが。
良くできた映画でありました。原作にないブルックスのシーンとかじんわり来ましたね。あと、伏線を綺麗に回収してる所とか凄いですなあ。絵の作り方も凄く綺麗であります。

キング原作の映画化は結構不作でして、一番出来が良いのが『キャリー』ぐらいで、あとはあんまり良くない模様です。『シャイニング』は、別格ですけどね。あれはキューブリック映画なんで。
キングの小説作品のほうで一番好きなのは『ファイヤスターター』ですかな。超能力物なので、私の趣味と親和性が高かったです。
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by sakananovel | 2006-04-14 21:48 | 映画・アニメ

良い文を書くためには

本多勝一の「日本語の作文技術」を読めば良いと思いますよ。

著者の本多勝一さんはNHKの受信料を払わなかったり、旧日本軍の蛮行を憎んだりする、いつも何かに怒っている赤い赤い朝日な人なんですが、考え方はともかくとして、この本は良い物です。
これは名文を書く方法ではありません。新聞型の伝わる文を書くためのノウハウだけがみっしりと詰まっておる物です。
語順とか句読点とかのお話がくどいくらい論理的に書かれてます。

この本をして、一読するだけで文が変わる、との評判もございます。
文章力を簡単に上げたい人はお試しあれ。

あと、記者ハンドブック -新聞用字用語集なんかも、あると便利かも。
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by sakananovel | 2006-04-14 16:12 | シナリオがらみ

川に水道管

問題:
川に水道管が掛かっているとします。
橋は上流に遥か遠いとします。
「水道管の上を自転車で渡れば早く渡れます」
と言う人が居たとします。彼は渡れるんです、バランス感覚が良いから。
でも普通の人は渡れやしませんよね。上流の橋を目指します。
「やや、なんて無駄な事をするのさ。こんなに簡単なんだよ」
軽率な人が彼の真似をして水道管の上を渡ったとします。
ま、当然落ちますね。川に水没です。
彼は知らん顔です。
「落ちるような間抜けな奴は僕の知り合いじゃないからね」
とか言いまして、渡れない皆さん内心で大激怒です。

さてある程度のバランスの才能がある人が居るとします。
彼はどうすれば良いのでしょうか。
安全ですが、時間の掛かる橋を目指すべきでしょうか。
危険ですが、短縮できる水道管の上を行くべきでしょうか。

正解:
水道管の横にちゃんとした橋を架ければいいのです。
みんなで川を渡りましょうよ(^^)
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by sakananovel | 2006-04-11 16:08 | どうでもいいこと

男土下座地獄

半端マニアさんの所でダウンロードが始まった「男土下座地獄」を早速プレイしてみました。
うん。
うん。
これだ(笑)
ゴッチ先生だね。

たいへん素晴らしいモノなので皆さんもダウンロードして、やって下さい。
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by sakananovel | 2006-04-10 22:07 | 同人ゲームレビュー

太宰治の女生徒

恩師のブログの関わりで青空文庫行って、太宰治の女生徒を読んでみたりしました。

前置き。
米光先生のブログ文章術の課題の話なのですがね(^^)
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お皿ひとつひとつに、それぞれ、ハムや卵や、パセリや、キャベツ、ほうれんそう、お台所に残って在るもの一切合切、いろとりどりに、美しく配合させて、手際よく並べて出すのであって、手数は要らず、経済だし、ちっとも、おいしくはないけれども、でも食卓は、ずいぶん賑やかに華麗になって、何だか、たいへん贅沢な御馳走のように見えるのだ。
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かの文を短いセンテンスにしてみよう、という課題がブログ文章術で出まして、何だかだらしなく右往左往する文章だなあと思って、自分なりに書き換えてみました。

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ハムや卵や、パセリや、キャベツ、ほうれんそう。
お台所に残って在るもの一切合切。
お皿ひとつひとつに。それぞれを。
手際よく並べて、美しく配合させて、いろとりどりにして、出す。
手数は要らず、経済的なのに。
食卓が、ずいぶん賑やか、華麗になって、たいへん贅沢な御馳走のように見えるのだ。

ちっとも、おいしくはないのだけれどね。
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課題はこんな感じ。無理に最後を落としちゃうのが私の作風だなあとか思ったり。

で、もはや大喜利と化した「ブログ文章術」のコメントを読んでましたら、「これは太宰治の女生徒からの引用では?」と書込があったので、早速青空文庫で読んでみました。

ここからが本題。

なるほど、文章が右往左往するはずですよ、この作品は戦前の女学生の一人称視点で、一日を描き出しておるわけです。
女学生というのは、今も昔も、唐突に悲しくなったり、嬉しくなったり、幸福感にかがみ込んでみたり、大人なんかになりたくねーやとお風呂で暴れたりするわけです。
全体を通して読むと、一見悪文と思われる文が、すごいリアル感で迫ってきて、おお良い小説だなあと感嘆してしまいました。
筋とかはなくて、全編情感のみ、眼鏡っ娘女学生が朝ダラーンと起きて、夜ダラーンと寝るまでの色々な事象を気持ちと共に描いておりました。

私は「人間失格」を読んでから太宰はんが大嫌いでして、あまり読んだ事が無かったのですが、やっぱり凄い作家さんだなあと見直しました。ここまで文章で心理にダイブできるのかーと、ほれぼれ。
ほれぼれしつつ、なんつーか、ここまで女学生の心理をロールできる太宰はんに苦笑い。この先生は変態だー。

件の文章もそのままありまして、あれは女学生がお客さんにお料理を作っているシーンなのですな。なんとなく嫌なお客さんがきて、お母さんがオホホとか笑って、お母さんが遠くなって寂しいとか思いつつ、料理をするわけっす。(戦前の女生徒なので、結構家のことしてたりしますな。料理も洗濯も女生徒の仕事っぽい。それに関しては当たり前の事として働いております)

この一人称の情感とかリアル感とかを盗みたいなあと思ったのでありました(^^)


太宰治「女生徒」(青空文庫)

修正:タイトルを女学生と間違えておりました(^^; いつもながら詰めが甘い。
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by sakananovel | 2006-04-05 17:06 | 読書