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「書きたがる脳 言語と創造性の科学」

「書きたがる脳 言語と創造性の科学」>>
 ミクシイでまつながさんが紹介してるのを読んで、脊髄反応で買ってしまった本であった。

 脳医学者にして作家という希有なスキルの著者が書く、文をもの凄く書く脳の状態ともの凄く書けないという状態についての本でありました。
 面白かったです。
 ハイパーグラフィアという異様に文章が書ける状態とライターズブロックというスランプで一文字も書けない状態について、精神病の同様の症状から色々考察しております。
 精神病のある一面が文明の発達に関与しているというのは結構聞かれる学説で、意識の変異の明るい局面が天才や芸術家となり、暗い局面がシリアルキラーとか病気とかになるとも言われてますね。

 個人的に痛かったのは「先送り」というライターズブロックの症状でして、これは文を紡ぎ出す代わりにお風呂掃除を初めてみたり、料理をしたりして、製作を先送りにする症状だそうです(^^; (イタイイタイ)

 さすがに医学者さんの書いた本なので、創作のイメージが脳のどこからくるのか(側頭葉あたりらしい)とか、今解っている脳科学と執筆の関係について深く考察していてオモロイ。

 文を書く能力は日照時間や温度にも影響されて、秋口に高進し、冬は落ち込み、初夏に少々持ち上がるそうな。うわい、サカナ・ノベルの年間サイクルですがな。

 他にもインスピレーションと宗教的な啓示との比較など、興味深いお話が一杯であります。
 お勧め。
by sakananovel | 2006-03-07 10:46 | 読書


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