人は世に連れ、世は人に連れと言いますが、どうも日本人の心の底には伝奇を愛する心が流れているようですな。
その証拠に能の演目のほとんどが、今で言う伝奇であります。
能は五番立てと言って、一気に五曲目をやるのが正式らしいのですな。曲の合間にコメディである狂言をはさみます。
1 脇能 神様を主役とした内容(高砂・嵐山・鶴亀など)
神様ものですな!
松の木の精霊とか、鶴と亀の精霊とか、スピリッツな物語ですよ!
2 修羅能 主に男性を主役とした内容(清経・敦盛・田村など)
修羅というか、武将が負け戦についてぶつぶつ語りつつ舞います。
バトルっすよ!
3 鬘能 主に女性を主役とした内容(井筒・羽衣・松風など)
女性主人公の舞です。
萌えっすよ!
4 雑能 上の3つに属さない、狂女物・遊狂物等。(百万・弱法師など)
狂女物、……サイコっすよ!!
5 切能 人間以外の鬼・天狗・妖精などを、主役とした内容
妖怪退治とか、伝奇本流っすよ!
こうしてみると、現代の同人ノベルゲームで伝奇が多いのも、平安の昔から着々と流れて来た伝統なのでありますよ。(実は嘘、能が今の形に整ったのは明治時代であるのだった。だが演目自体は古い物が多いのであながち大間違いでもない)
やっぱり日本人は幽玄とかあやかしとかの曖昧な雰囲気のモノが好きみたいですね。